最近私は、
親父の代わりに手続きをする機会が多くあり、認知症や介護や高齢者サービスを、高齢者の視点から見るようにしている。
私は高齢者サービスというものをまったく考えていない役所や生保、金融機関の対応にとても不信感を覚える。
1人暮らしの高齢者にとって不可能としか思えない手続きの煩雑さ。
健康な人間にとって、読み書きができる人間にとっては、引っ越しても住民票の移動ぐらいしか必要無いので、よほど不遜な態度を取られない限り、役所や大会社のサービスに対してたらいまわしにされたとか、強烈な不満を覚えることは少ない。
もっとも、永年の役所の対応に慣らされてしまっていることもあるが。

私には、友達も多くいるし、携帯電話もパソコンも使えるが、
もし、独り暮らしで、友達もみんな死んでしまって、身体が不自由で、電話もメールも連絡手段がなければ、この国で生きていけるのだろうか?
私の払った税金は私のために多少は使われるだろうか?
私の払った保険などは私に払い戻されるだろうか?
私の年金は私に多少は支払われるだろうか?(まったくあてにしてませんが)

それは私の管轄ではありません。
その点については別の部署ですのでいっさいお答えできません、
たらいまわしにして煙にまき、5時になりましたのでまた明日来てください。

高齢者でなくても、からだの不自由な人間にはとてもむつかしい。
読み書きのできない人間には不可能だ。
委任状を持って来い、本人の直筆で。
本人が来なくては受け付けない。
役所は入り口も出口も同じ態度で最悪だが、
生保や金融機関は入り口は文字が書けなくても、読めなくても、判断能力があろうがなかろうが代筆でも契約させ金をむしりとっていくのでもっと悪い。
ノルマをこなすには、成績を上げるには判断能力の無い高齢者は格好の獲物といわんばかりに。
そして、契約者の名前も受取人の名前も確認もせずに契約させたくせに、いざ保険請求になると、本人確認ができない、本人の直筆が必要だと言う。
その契約書、最初から本人の直筆ではありませんよ。
こういう人間にこそ保険は必要なのだが、保険請求は不可能に近い。
現に私の親父は過去にも入院給付金の請求をせずに100万単位で損をしている。
契約者の名前や受取人が存在しない人間の名前でも契約はするくせに、
いざ保険請求になると、本人確認ができない、となる。
存在しない名前で契約させたのはあきらかに郵便局なのに。

これはあきらかにおかしい。
世界最大の金融機関になるかもしれないゆうちょさん、契約のときも本人確認してくださいね、
自分の名前書けない間もいるんですよ、
字が読めない、
見えない、
判断能力の無い人間に投資信託をたくさん売りつけて、
老人は定額貯金のように思って契約してるんですよ。
まったく理解してないですよ。

高齢者サービスという言葉が介護という文字と一緒にひとりあるきしている。
1人暮らしの寂しい老人には、
一番必要とする人間には利用されにくいかたちで。