アメリカのホームデポに並んでいる水道配管、継ぎ手類は殆どが中国製だった。
そしてインチネジは姿を消し、誤差の大きな中国製が主材料になっている。
その誤差のおかげでインチネジとミリネジがテーパーネジと並行ねじが組み合わさっている、これはまさしく融合だ。
誤差があってもシールテープでねじ込めば3から5山は噛みこみ水は止まるから、気にならないようだ。
給水給湯ともに屋内は裸の銅直管が主である。
最近の傾向としてポリエチレン管が安価で(銅管があまりにも高騰したため)作業性も良いので好んでつかわれているらしい。
といってもさ夜間ヘッダーシステムに使われるような種類のものではなく鉄の継ぎ手が使われるので、補修した配管は銅、鉄、ポリ、メッキ管のごちゃまぜのツギハギ状態であるが。
日本ではもう銅管は安くなってきているがアメリカではまだ高値で市場に出回っているようだ。

地域によって家のつくりがちがう、日本でも北海道と沖縄でずいぶん違うが、カリフォルニアあたりとニューヨーク、デトロイトあたりではちがうだろう。

水漏れにたいする許容度もちがう。
これは日本家屋が寿命が短い、短いから余計に水漏れに神経質なのか。構造上修理費用が高くつくから神経質なのか?
日本ではRCや鉄骨の建物ですら水漏れに対する意識は強烈に強い。諸外国では水道製品や配管材料に対して水漏れという観点にはみな意識が薄いように感じる。
これは30年でと建物価値がなくなるという現象とは反比例例するように思えるが。
諸外国では建物は木造ですら100年150年が当たり前に(文化財レベルの建物の話ではない)
一般ピープルの住む木造住宅の話である。
材木も生木でバンバン建てているようだし、床が傾いていようが建物全体が傾いていようが気にしてないようにも思う。

ひとえに民族性のちがいなのか、これは非常に興味深い。
ただ、デトロイトやニューヨークの一般ピープルの住宅は非常に水漏れが発見そして修理がしやすいように思う。
そして、ホームデポなどで気軽に配管材料や補修材料が手に入る。日本のホームセンターの比ではない、家一軒全て建てるのも十分可能なのである。
これは中国でも台湾でも感じるが(もちろんアメリカで手にはいるのもほとんどが中国製)
DIYが普通だし、日本のように神経質にこだわらなければ内装も外装も見栄えは十分中流家庭の家屋まで対応可能である。

日本では配管は最短で屋外にでるのが望ましい。
デトロイト、ニューヨークでは各バス、キッチンから最短で地下スペースに落としていく。
地下に行けば全ての配管が縦に落ちてくるので漏れも発見しやすいし、修理も日本の曲がりくねった配管よりも格段に修理しやすい。
なんと合理的なことか。
そんなに意識してないのに50年100年経過の木造住宅が普通なのであるから、

あとはこのメリットを、木材の最大の敵である水(シロアリをのぞく)に対する早期発見、早期修理を徹底的にいかせば日本のようにコストをかけずとも150年200年はゆうにもつであろう。
中古住宅の市場が活発なのも当然のことである。
日本のように30年でゴミにされてしまうような非エコな環境破壊市場とはハナから違う。
日本の住宅はその政策から30年で無価値にあなり、中古市場はなりたたないし、
今200年住宅などと高付加価値、高価格の木造住宅がでてきているが、なにをかいわんやである。中古住宅市場が活発に(銀行ローンのつけ方、減価償却の初期化)なる政策がとられれば日本の技術は普通に木造住宅を200年300年と持たせられるのだから。
(地震がなければ)
日本は個々の技術では世界一を誇れるものがほんとにたくさんあるのに、それが全くいかされていない、これは非常に残念なことである。

現地の水道屋にはさや管ヘッダーシステムには非常に興味を持ってもらった。